スマートフォン上での筆記開示チャットインタフェースの研究
スマートフォンを用いた筆記開示のためのチャットインタフェースを研究しています。ストレスに感じた出来事やそのときの感情をチャット上で表現する際の入力方法の影響や視覚フィードバックのデザインを比較評価し、ストレス解消感を高める要素を特定することを目指しています。

ストレスに感じた出来事や感情を書き出す「筆記開示」は、ストレス対処の方法として広く知られています。最近では、スマートフォンなどの情報技術を活用して行う方法も注目されています。 しかし、モバイル端末での筆記開示のためのインターフェース設計は、まだ十分に行われていません。
本研究では、モバイルでの筆記開示において、 入力方法(文字入力や音声入力)や書いた後の視覚フィードバックのデザイン が、使いやすさやストレス感情の解消にどのように影響するのかを、実際の利用環境での調査を通じて明らかにしました。
その結果、スマートフォンでの筆記開示がストレス軽減に役立つことが確認されただけでなく、インターフェース設計において重要な発見が得られました。 特に、 音声よりもキーボードでの文字入力の方が、プライバシーが保たれるだけでなく自分の気持ちを落ち着いて振り返ることができるため、より好まれる傾向がありました。
また、筆記開示後の フィードバックの好みは、ストレスの原因や種類によって異なること もわかりました。
本研究は、モバイルでの筆記開示支援のインターフェース設計を進展させるとともに、人間がどのようにストレスを認知的に処理するのかについての理解を深めるものです。
- ストレスレベルの有意な低下を確認
- 入力方法とフィードバックデザインの影響を明確化
- 採択率25%の国際会議に論文採択
- 国内研究会での発表と学生奨励賞受賞
"Examining Input Modalities and Visual Feedback Designs in Mobile Expressive Writing"
Shunpei Norihama, Shixian Geng, Kakeru Miyazaki, Arissa J. Sato, Mari Hirano, Simo Hosio, Koji Yatani.
MobileHCI 2025 (2025年9月)