
家族ケアにおける心理的距離とリフレクティブ・ライティングの研究
家族ケア提供者47名を対象に、LINEチャットボットを用いた3週間のフィールド調査を実施しました。ケア対象者や出来事との時間的・空間的・社会的な「心理的距離」が、内省的な筆記の内容や効果にどう影響するのかを分析し、感情表出を促す「近接モード」と客観的内省を促す「遠隔モード」という2つの内省スタイルを明らかにしました。
詳細を見る(乗浜 駿平 / のりはま しゅんぺい)
ジャーナリングをデジタルで拡張し、振る舞いから人間について理解する
博士課程2年 / HCI研究者

私はヒューマン・コンピュータ・インタラクション(HCI)の分野で、特にメンタルヘルスに関わる研究に取り組んでいます。具体的には、ストレスに感じた体験や感情を書き出すワーク(筆記開示や内省日記など)をスマートフォンやパソコンなどのデバイス上で実施する時の体験の拡張をしています。これまでに音声入力・視覚的フィードバック・距離のセンシング・AIによる文章補完などを組み込み、その際に人間の語り・ナラティブがどのように変化するのかについて定量・定性の両面から分析してきました。これらの分析は、デジタルな支援のデザインだけでなく、人間がどのように体験や感情を語り、位置付け、生きていくのかということの理解につながっています。他者や言語化を通して人間が自分自身を知ることができるように、デジタル技術を通して人間を深く知ることができると信じ、研究をしています。
また、「いいものを正しく届ける」ことを信条としており、本格的で衝撃的に美味しい麻婆豆腐を学園祭などに出店する「本格麻婆豆腐 乘濵楼」のオーナーもしています。
最新の活動や成果について
2026年9月20日より、Cornell TechのTanzeem Choudhury教授の研究室に滞在し、共同研究や交流を行っています。
研究論文がACM IMWUT(Proceedings of the ACM on Interactive, Mobile, Wearable and Ubiquitous Technologies)に採択されました。2026年に中国・上海で開催されるUbiComp '26にて発表予定です。
フィンランドのオウル大学で開催されたUBISS 2025に参加し、取り組んだプロジェクト「My Home, My Rules」がDistinguished Project Awardを受賞しました。国際的な研究交流の貴重な経験となりました。
「Examining Input Modalities and Visual Feedback Designs in Mobile Expressive Writing」というタイトルの論文が MobileHCI 2025 に採択されました。2025年9月にエジプトのシャルム・エル・シェイクで開催される会議で発表予定です。
2025年4月より東京大学大学院学際情報学府の博士課程に進学しました。引き続き、ヒューマン・コンピュータ・インタラクションの研究を深めていきます。
2024年5月の第82回UBI研究会における「筆記開示チャットボットにおけるストレス解消感を高める視覚フィードバックデザインの比較評価」の発表が評価され、学生奨励賞を受賞しました。
現在進行中のプロジェクトと過去の研究成果をご紹介します

家族ケア提供者47名を対象に、LINEチャットボットを用いた3週間のフィールド調査を実施しました。ケア対象者や出来事との時間的・空間的・社会的な「心理的距離」が、内省的な筆記の内容や効果にどう影響するのかを分析し、感情表出を促す「近接モード」と客観的内省を促す「遠隔モード」という2つの内省スタイルを明らかにしました。
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スマートフォンを用いた筆記開示のためのチャットインタフェースを研究しています。ストレスに感じた出来事やそのときの感情をチャット上で表現する際の入力方法の影響や視覚フィードバックのデザインを比較評価し、ストレス解消感を高める要素を特定することを目指しています。
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深層強化学習を用いて、スクランブル交差点において交通量に応じた動的な信号制御を行うシステムを開発しました。シミュレーション環境での学習を通じて、交通の流れを最適化し、待ち時間の短縮と交通事故の減少効果を明らかにしました
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VRによって月経時の体験を一人称視点で体験し、行動の選択を通して困難を体感することができるシステムを開発し、評価を行いました。VR酔いが月経によるめまいの疑似体験になることに注目し、企業や教育機関での活用を目指して活動を行いました。
詳細を見る公式ホームページはこちら論文発表、メディア掲載、ブログ記事など
掲載予定 · ACM IMWUT (UbiComp '26)
Two Modes of Reflection: How Temporal, Spatial, and Social Distances Affect Reflective Writing in Family Caregiving家族ケアにおける心理的距離とリフレクティブ・ライティングの関係を検証した論文。ACM IMWUTに採択され、UbiComp '26(上海)にて発表予定です。
発表済み · MobileHCI 2025
Examining Input Modalities and Visual Feedback Designs in Mobile Expressive Writingモバイルデバイスにおける筆記開示のための入力モダリティと視覚フィードバックデザインの比較評価を行った論文。国際会議MobileHCI 2025で発表しました。
メディア掲載 · 東大新聞オンライン
「進学選択で文理の壁は越えられるか? 理転・文転した3人にインタビュー」東京大学新聞オンラインに掲載されたインタビュー記事。文系から理系に転向した経験や、学びの過程について語っています。
note記事 · note
「東大理転激闘記」東京大学に文系で入学し、理系に転向した経験を綴った記事。理系への転向の過程や学びについて詳しく書いています。
